地球温暖化の危機−キリバス 2007年はマングローブ植林に、キリバス共和国とモルジブ共和国を訪問しました。地球温暖化による様々な問題が叫ばれている中、海面上昇の被害を一番受けやすい両国です。 先ずはキリバスについて報告させていただきます。 1,キリバス共和国とは 2007年4月に訪れたキリバスは、世界地図を開くと太平洋のど真ん中、ちょうど 赤道と日付変更線の交わる場所にあり、人口10数万人の小国です。産業は漁業が中心ですが特にカツオ漁が盛んで、キリバスの漁民は日本のカツオ漁船にも乗って活躍をしているそうです。しかし、他には目立った産業はありません。最近はリゾート開発に力を入れていくと言っていますが、なかなか難しいと思われます。私達が行ったタラワ島は細長い島で、山もなく標高も低い島でした。南太平洋の島々ではツバルと並んで海面上昇の影響を受ける島と言われています。私どもは、今回キリバスの政府の招聘を受け、海岸線の保全の為にマングローブの植林を行いました。海岸 線は潮の流れ温暖化による海面上昇の影響を受け、土壌浸食が早いピッチで進んでいます。日本から14名のボランティアと地元の方々と一緒に沢山のマングローブを植えてきました。アノテ・トン大統領もISMEと私どもの活動に感謝され、大統領公邸でディナーを招待されました。2,キリバスの悲劇 キリバスは小国ではありますが私達を公邸に招待するのは、海面上昇の影響を少しでも食い止める対策が重要であるという観点からだと思われます。しかし、 今年の9月に思いがけないニュースが目に入りました。キリバスのアノテ・トン大統領が近い将来海面上昇の影響で、キリバスの国民が海外移住を行わなければならないと声明を出しました。この話は日本では余り大きく報じられませんでした。トヨタが自動車の年間販売台数が1,000万台を越えるという情報は大きく出ていました。私は常々トヨタを初め世界の自動車産業が、地球温暖化を進めた大きな原因になっていると思っています。トヨタは年間1,000万台の新車を作るだけでなく、中古車のディーラーが中心となって日本 で使えなくなった中古車をキリバス等の国々に輸出をしております。古い車はフロンガスを使ったクーラーが装備されています。キリバスでは日本と違い車のリサイクルのシステムはなく、廃車は海岸線に放置されています。そして、車の中にあるフロンガスは空気中に放出され、温暖化を促進しています。3,温暖化の原因と責任は? 世界各国の自動車メーカーは、中国やインド等の少し遅れてきた巨大国を狙っ て自動車の輸出競争を行っています。キリバスやモルジブに行っても新車等は殆ど見ることはできませんし、島によっては車が1台もない所もあります。しかし、二酸化炭素を一番排出していな国々が皮肉にも一番の被害者となっていることが現実の姿です。日本でもキリバスの国民が移住を強いられたとしても、当然他人事のように思っています。移住をするということは、大きな問題を抱えることになります。キリバスやモルジブの国民は自給自足的な生活をおくり、日中の暑い時間帯は日陰のファーレ等で休憩をしております。しかし、移住をすれば生活をするために働かなければなりませんし、地元住民と の調和等も計らなければならず、大きなストレスを感じることでしょう。米国や日本の国民は自分たちに被害が及ぶ段になって、初めて自らの過ちに気がつくのでしょう。政府やマスコミ等では日本は環境先進国と言っておりますが、欧州に行けば日本を環境先進国と呼ぶ国は少ないのが現実です。京都議定書が批准されても議長国の日本は未だ目標値に対して約15%も上回っている状況です。その様な国を環境先進国と呼ぶことができるのでしょうか?日本には技術優先で、真剣にシステムやライフスタイルを変えることを考えていません。しかし、地球温暖化の影響は地球上の全てのものに及ぶことは間違いありません。地球温暖化による影響が顕在化してから対策をとっても遅いのです。世界的に貧富の格差が拡大した経済優先の社会から、地球上の生き物が共生できる社会作りに真剣に考える時期がついにやってきたと思われます。今の社会が抱える大きな問題は、富と権力を持った国や人々が自らの利得や利権に走りすぎることに起因していることを認識する必要があります。グローバル化というのは、最終的には様々なシステムが抑制の利かない社会となり、人類滅亡の序章となっていく可能性を秘めています。水を考える時代 松長氏にメールを出す * HOME * 上に戻る |